90年代にありがちな視聴者巻き込み型コンテンツに参加した思い出話
一つ前の記事を書いていて、記憶の扉が開いてしまった。
小学生の頃あるバラエティ番組のロケに参加したのだ。
ちょっとした黒歴史である。
∀ガンダム観てないのに黒歴史を使う人はせめて西城秀樹氏のOP曲くらい覚えてから使うように(過激派)
ひねくれた性格になったのは、この体験が少し影響してる気がする。
中山秀征さん司会のおじゃマンボウ*1。
現在だと逆転裁判と名探偵コナンをやってる枠の土曜夕方の番組。
この番組宛に「とある山の中の動物園(地元がバレるので伏せる)に客が来ない。このままじゃ閉園するから助けてほしい」
というニュアンスの手紙が届いたのが発端だった気がする。
今考えると、90年代の日テレお得意の視聴者巻き込み型コンテンツ(ブラックビスケッツとポケットビスケッツや電波少年のCD売れなきゃバンド解散とかの系譜)なんだけど、
小学生だし殆ど地元だしで何とか協力しなきゃ!って思うわけで。
最初の記事に書いたタッキーの生写真買ってた友達のお母さんがフットワークの軽い人で、
インターネットのない時代なのにどこでどう情報を仕入れてきたのか、
「今日の夕方から○○山でロケやるからレチェちゃんも行こう。篠原涼子も来るらしいよ」
と誘ってくれたのだ。
隣の隣の隣町で小学生だけでは到底行けない距離だから、有り難く誘いに乗っかった。
こうして私と友達に友達母子の四人で○○山まで行くことになった。
もしかしたら番組で告知をしたのかもしれない。
山に向かうだけで物凄い渋滞だった。
告知してないなら田舎のネットワークと情報伝播力は恐ろしい。
車中で友達が好きなaccess*2やらWANDSの話をしながら、呑気に過ごしていたと思う。
山の中を結構歩いてどうにか動物園に辿り着いた。
既に薄暗くなってしまって広場みたいなところにセットが組んであった。
タイミング良く撮影開始する前だった。
広場と言っても舗装してない地面だったので、ほこりが立っていた。
動物園か番組のスタッフが軽く水を撒いていた。
今でこそフィルムコミッションだとかでロケが来るのは珍しいことではなくなったが、
当時の田舎にテレビの撮影が来るというのはお祭りも同然なわけで、小学四年生くらいの男子がテンション上がってしまってセット付近をぐるぐる走り回っていた。
すると、花瓶か何かセットの一部を壊してしまったようだった。
何てことをしてくれたんだ!親はどこにいるんだ?と物凄い勢いで小学生を怒るスタッフ。
当然泣いてしまう。
それを見た周りの子供も泣いてしまう。
子供のしたことでしょうとヒソヒソと言う周りの大人。
文句があるなら出て行って構わないとスタッフ。
まあまあの修羅場だった。
子供相手にあんなに怒らなくてもいいじゃないかと今でも思ってる。
思い出すと胃がキリキリしてきた。
撮影が始まろうとするが、大多数の客が目当てにしたであろう中山ヒデちゃんと
「恋しさと切なさと心強さと」で大ブレイク中の篠原涼子ちゃんが一向に現れない。
ざわつき始める私たち。
すると、スタッフが無慈悲な宣告をする。
「ヒデちゃんと涼子ちゃんは上空から参加するのでヘリコプターが見えたら手を振ってください」
はい、騙された。
来るらしいで数百人が集まるのだから、田舎ってチョロい。
軽くブーイングが起こった気がする。
ここからの収録の記憶はショックのあまり残ってない。
山に来た出演者に林家こぶ平がいたような気がするが定かでない。
友達のお母さんが定食屋さんで夕食をご馳走してくれたことしか覚えてない。
オンエアを見る気が失せたけど、一応見た。
(自分が映ってるかもしれないのにビデオに録画しなかった。もはや意地だ)
もうヤケクソになって手を振ってる田舎者たちが映ってたと思う。
そんな苦い思い出。
そもそもの発端の動物園が今も営業してるか検索してみたら、B級スポット的なゆるさで生き残っているようで安心した。
キスマイが現在もしもツアーズというロケ主体の番組に出演しているけど、
Twitterに流れてくる盗撮画像を目にしてしまうと
よくスタッフに怒られなかったね、大丈夫?
と良くない行動なのに少しだけ心配してしまう。
それくらいあの日のスタッフが怖かった。
盗撮はネタバレだからこっぴどく怒られた方がいいけど。
あの少年はどうしているだろう。
テレビのことなんて嫌いになってしまったかもしれない。
案外おとなしい性格になってしまったかもしれない。
私はしばらくの間、おじゃマンボウを見ることさえ嫌だった。
見ても白けてしまうから。
それでも不思議とこの頃のテレビ番組の方が面白かった。
自分が輝いていた時期のことばかり思い出す的な思い出補正なだけかもしれないけど。
いい年して大人になりきれてない痛い人間なだけかもしれないけど。
以上、回顧でした。